10歩目 少女はヘッドホンで耳を塞いで、世界の声を聴いている。(後篇)

外界からの音を遮断し、自分の求めている音だけを聴くことのできるヘッドホン。 しかし、他人がつけているのを観ると、危なかっしさや、うとましさを感じることが多い。実際、周りで何が起こっているのか気づかず、事故の原因となったり、迷惑の原因になった…

九歩目 少女はヘッドホンで耳を塞いで、世界の声を聴いている。(前篇)

さっき、ヘッドホンが壊れた。 Rolandの8000円するもので、かれこれ一年間お世話になった。今回のが三台目だった。 どういうわけかヘッドホンというのは、経験上一年くらい経つとだいたいコードが断線して使い物にならなくなる。だいたい期限が切れてい…

八歩目 ゲーム音楽はゲーム無しに標題(メイン)音楽となり得るか?

やっぱりゲーム音楽ってのはどれだけいい曲でもそのBGMをゲームプレイ中に聴かないことにはあまり深く影響を受けたりしないものなのだろうか? ゲーム音楽はやはりゲーム無しには標題音楽とはなり得ないのだろうか?深夜、Twitterをぼんやり眺めていると、こ…

7歩目 彼らはインターネットをやっていて、そこに音楽があったってだけのことだよ 

逆ではないだろうか。 「彼らは音楽をやっててインターネットがそこにあるってだけだよ」ってタイトルのサイトを観た時、ふと思った。ニコニコ動画やUstreamを活用して、音楽活動をしているアーティストたちを紹介していて、彼らはインターネットを上手に活…

6歩目 日本語を揺らす声  POPPYという歌い手の持つ可能性

カラオケが苦手だ。 あの安っぽい防音空間で、他人に合わせて選曲をして、さして上手くもない歌を歌って、心のこもっていない拍手を受け取って、急かす誰かにマイクを渡し、黙って好きでもない曲を聴き続ける。そんな作業を2時間ほどやることに耐えられない…

五歩目 「再生」される音楽 

「再生」とはおそろしい言葉だ。 上記の動画を再生させたければ、中央にあるボタンをクリックすればいい。 すると、どのような状況にいようと変わらない曲を聴くことができる、ということになっている。 もちろん、厳密にはこれは怪しい。 もっとパソコンや…

三歩目 喫茶店は音楽を変えるのか?あるいは逆か?

先日、東京から遠く離れて青森の弘前に行ってきた。 ぶらぶらと街を歩いて弘前の街の観光名所(弘前城やレトロな雰囲気漂う図書館、由来は分からないが、お洒落な小物ショップやコーヒー販売店などが商店街にひしめき合うように並んでいた)をめぐって、最勝…

四歩目 あの日聴いたあの曲はあの場所に何をしたのか?

例えば、個人的な経験。 高校の帰り道、カバンからイヤホンを取り出して耳につけ、一番うしろの座席で一人うずくまるようにして座り、音楽を聴きながら窓の向こうに見えるラブホテル街をみつめる。すると、入り口で何度も出入りを繰り返すカップルがいて、女…

ニ歩目 音楽はどこで生まれているか。 移動距離ゼロの長い前置き

本当は音楽なんて聴く必要ない。やつらはおかまいなしにあらゆる場所から聴こえてくるのだから。 TVのCMから、ラジオから、電車の中で漏れてくるヘッドホンから、竿竹屋のスピーカーから、となりのアパートから、学校の音楽室から、街行く人の唇から、あらゆ…

ライナーノーツのための一歩目

音楽を語るのは難しい。自分が好きなアーティストやバンドをおすすめしようと、思い立ち、文章で書く。たぶんあらゆる美辞麗句が思いつく。「90年代を代表するロックバンド」「魂をかき乱すギター」「人生の節目で何度も励まされた」…だけど、すぐに気づく…